コラム

COLUMN
2021.09.17

【遺言の基礎】遺留分とは?

民法では、遺族の法定相続人としての権利や利益を守るために、遺族が相続できる最低限度の相続分を「遺留分」という形で規定しています。

この記事では、遺留分とは何かについて、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートがわかりやすく解説します。

遺留分=相続人としての権利や利益を守る

遺産相続では、「法定相続よりも遺言による相続が優先される」という大原則があります。

たとえば、特定の相続人や第三者にすべての財産を譲る、といった内容の遺言であった場合、遺言に従うと本来は遺産を受け継ぐ権利のある人が全く受け取れないことになってしまいます。

前述した例のように、遺言の内容によっては、配偶者や子などの遺族が法定相続人としての権利や利益を侵されてしまうこともあります。

そのため、民法では遺族の法定相続人としての権利や利益を守るために、遺族が相続できる最低限度の相続分を「遺留分」という形で規定しています。

被相続人が特定の相続人や第三者に贈与または遺贈をし、それによって相続人の遺留分が侵害された場合、侵害された相続人は贈与または遺贈を受けた相手に対して、遺留分侵害額に相当する金銭支払いを請求することが可能です。

この権利を「遺留分侵害額請求権」といいます。

遺留分を算定するための財産の価額に算入するのは被相続人が相続時に有した財産だけでなく、生前贈与の額も含まれます。第三者への生前贈与は原則として1年以内になされたものが対象です。

相続人に対する生前贈与は、特別受益に該当する贈与(10年以内になされた贈与)が対象です。

しかし、いずれも贈与する側と受け取る側の双方が遺留分を侵害していることを知ってなされた場合には、期限より前に贈与がなされたものでも対象になります。

ただ、遺留分を侵害した内容の遺言であっても、侵害された相手から遺留分の侵害請求をされなければ相続は遺言どおり執行されます。

侵害された遺留分の額は、以下のような計算で求めます。

  • 遺留分算定の基礎となる財産(相続財産+特別受益等)×遺留分の割合-実際に受け取った相続財産+特別受益額

遺留分の侵害額請求について

遺留分侵害額請求に決められた手続きはなく、侵害している相手に「遺留分侵害額請求」の意思表示をすればよいのです。

相手がこれに応じない場合は、家庭裁判所に家事調停の申し立てをするか地方裁判所に訴訟を提起します。

侵害額請求は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから1年以内、相続開始後10年以内に行わないと請求権が消滅してしまいます。

2018年の法改正(2019年7月1日施行)によって、遺留分を侵害された人は侵害額に相当する金銭支払いの請求が可能になり、共有を回避することができるようになりました。

また、遺留分侵害額請求を受けた人がすぐに金銭を準備できない場合、裁判所に対して期限の猶予を求められるようになっています。

遺留分侵害額の負担の順序は、遺贈または贈与を受けた額を上限として、贈与を受けた人よりも遺贈を受けた人から先に負担することになっています。

遺留分権利者の範囲

遺留分が認められているのは、被相続人の配偶者・直系卑属(子・孫・ひ孫など)・直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母など)についてだけであり、被相続人の兄弟姉妹には認められていません。

遺留分の割合は相続人がだれかということと、その組み合わせによって異なります。

遺留分の放棄と方法

遺留分の放棄は相続人本人の意思でなければできないので、遺言者が遺言書に「遺留分の放棄をすること」などと記しても、法的には無効です。

遺留分の放棄は、相続開始後(被相続人の死後)であれば自由にできます。被相続人の生前にも放棄することができますが、その場合は推定相続人本人が家庭裁判所に申し出て許可を得る必要があります。

遺留分のまとめ

  • 本来は遺産を受け継ぐ権利のある人が全く受け取れない状況にならないよう、相続できる最低限度の相続分を「遺留分」として規定している
  • 遺留分が認められるのは被相続人の配偶者・直系卑属(子・孫・ひ孫など)・直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母など)のみ
  • 被相続人の生前に遺留分の放棄をする場合は家庭裁判所の許可が必要

以上、遺留分について解説しました。

相続手続き代行サービスはこちら

行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

CONTACT

まずはお気軽にご相談ください

電話で相談する
Tel.042-843-4211
メールで相談する
お問い合わせはこちら

(本社)東京都日野市豊田3-40-3 レジェイドサザンゲート1F

(新宿支店)東京都新宿区西新宿7-2-6 西新宿K-1ビル3F