コラム

COLUMN
2021.09.30

【遺言の基礎】自筆証書遺言作成の基本

いつでも、どこでも費用をかけず本人が自由に作成できるのが自筆証書遺言です。

しかし、遺言書の書式や内容については、一定の条件を満たしていないと法的に無効となってしまうので、遺言書や法律の正しい知識が必要になります。

この記事では、自筆証書遺言作成の基本(作成方法と手順)について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

「遺言書」「遺言状」「遺言」などの表題はあるほうがいい

遺言の本文・作成年月日・氏名のすべてを自筆で書きます。

ただし財産目録については、法改正により自筆ではなくパソコン等で作成してもいいことになりました。

不動産の登記事項証明書の写し、預貯金の通帳コピーを添付することもできます。

表題はなくても構いませんが、遺言であることがはっきりと分かるように、「遺言書」「遺言状」「遺言」などと書くのがいいでしょう。

日付・署名・押印は忘れずに

日付は西暦でも元号でもよく、数字は漢数字でも算用数字でもかまいません。

「令和〇年の誕生日」のような形でも、年月日が特定できればいいのですが、やはり「〇年〇月〇日」のように客観的に判断できる書き方のほうがいいでしょう。

署名は戸籍上の実名に限らず、遺言者が通常使用しているペンネームや芸名、雅号などでも有効とされています。

押印も必須条件です。印鑑は認め印でも構いませんが、実印を使うのがベストです。

加筆・削除・訂正は決められた方式にのっとって行わないと無効になってしまうので注意しましょう。

遺言者の住所は書いておいたほうが遺言者が特定できますが、書いても書いてなくても構いません。

日付の書き方の例
〇の例
令和二年十二月二十一日
2020年12月21日
令和三年一二月二一日
△の例
令和〇年の誕生日
満60才の誕生日に
令和〇年元旦
✖の例
〇月〇日(〇年が抜けている)
〇年〇月吉日(日にちの特定ができない)

 

用紙と筆記用具の選び方とその理由

用紙は自由ですが、保存に耐える丈夫な紙を使います。また、用紙の大きさについては家庭裁判所での検認の際や相続の手続きなどでコピーをとるので、B5やA4サイズがいいでしょう。

用紙が複数枚に及ぶときは、全体として前後のつながりから1通の遺言書と確認できれば、契印(割り印)はしなくても構いません。

自筆によらない財産目録には、各ページに署名・押印しなければなりません。

筆記用具にも規定はありませんが、改ざんの恐れのある鉛筆は避け、万年筆やボールペン、サインペンなどを使用しましょう。

内容はわかりやすい言葉で個条書きに

遺言の内容は、誰に何を相続させるのか、遺産をどう分けるのか、遺言者の意思が正確に伝わるように具体的に書きます。

難しい法律用語や専門用語を使うよりも、使いなれた言葉で書いたほうがいいでしょう。

表題に続いて「遺言者〇〇は、この遺言により次のように遺言する」「遺言者〇〇は、以下の通りに遺言する」などと書いてから、遺言事項を書きます。

遺言事項は項目ごとに番号をつけて個条書きにすると分かりやすくなります。

必ず下書きをして、内容や数字、文字、氏名に間違いがないかどうかをよく確かめてから清書しましょう。

相続財産の記載はあいまいな書き方をしないように

相続財産の記載は、財産が特定できるように1つ1つ正確に記載します。

たとえば、「土地は長男に、家は妻に相続させる」などのようなあいまいな書き方では、財産の特定ができません。

特に土地や建物の不動産は、登記記録の記載と一致しないと相続の登記ができないこともあるので、登記事項証明書の記載通りに記載します。

未登記の場合は「固定資産税課税台帳登録証明書」の記載通りに記載します。

預貯金についても複数あるときは、金融機関の支店名・口座番号・名義など、株式であれば会社名・株数などを客観的に特定できるように記載します。

財産目録を別紙添付することもできます。この場合は、手書きではなくパソコンで作成したものでも構いません。

また、登記事項証明書の写し、預貯金の通帳コピーを添付することも可能です。

財産を受け取る相手を特定できる書き方をする

財産を護る相手が妻や子どものように簡単に特定できる場合、「遺言者の妻春子に」や「長男太郎に」といった記載でもいいでしょう。

同姓同名の人がいる場合や、法定相続人以外の受遺者に護る場合は、受け取る相手が特定できる形で記載します。

たとえば、「遺言者の姪中田冬子(昭和〇年〇月〇日生)」のように、生年月日を記したり、「内縁の妻川本夕子(本籍・埼玉県〇〇市〇〇町、住所・東京都練馬区〇〇町〇番〇号、昭和〇年〇月〇日生)」のように生年月日とともに、相手の本籍や住所なども記したりしておきます。

封印しておくと安全に保管できる

遺言書は必ずしも封筒に入れて封印しなければならないものではありません。

しかし、秘密の保持や変造、改ざんを防ぐとか、汚損などから守る意味でも封筒に入れて封印しておいたほうがいいでしょう。

封筒の表には「遺言書」「遺言書在中」などと書いておきます。

裏には遺言書の作成年月日を書き、署名・押印。封印の印と、署名・押印の印は遺言書に用いた印鑑を使います。

自筆証書遺言は死後、保管者や発見者が家庭裁判所に届け出て検認の手続きをしなければなりません。

また、封印されている遺言書はかってに開封することができません。検認の際にすべてに相続人に立ち会いの機会を与えたうえでなければ開封できないことになっています。

死後、遺族が知らずに開封してしまわないように、「本遺言書は、遺言書の死後、未開封のまま家庭裁判所に提出のこと」と添え書きしておきましょう。

自筆証書遺言作成の基本まとめ

これまでに説明した自筆証書遺言作成の手順とポイントになります。

  • ①全文を自筆で書く
  • ②日付(作成年月日)、署名、押印は絶対に必要
  • ③加除訂正は方式にのっとって行う
  • ④用紙は自由、保存に耐えられるものが望ましい
  • ⑤筆記用具は自由だが、ボールペン・万年筆・サインペンなど改ざんされにくいものを使うのがいい
  • ⑥内容は具体的にわかりやすく、個条書きにする
  • ⑦必ず下書きをしてから清書する
  • ⑧財産の記載ははっきり特定できるように書く、財産目録はパソコンなどで作成したものや不動産の登記事項証明書の写し、預貯金の通帳コピーを添付してもいい
  • ⑨用紙が複数枚に及ぶときは綴じるか契印(割り印)をする
  • ⑩封印をするかしないかは自由だが、遺言書に使った印鑑で封印したほうがいい

以上、自筆証書遺言作成の基本について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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