コラム

COLUMN
2021.10.01

【遺産分割の手続き】遺産分割の方法

遺産分割とは、故人(被相続人)の相続財産を相続人に配分する手続きのことです。

この記事では、遺産分割の方法について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

遺産分割では相続人の意思が重要

遺産分割においては、相続財産の全部を分割するだけではなく、相続財産の一部だけを分割することもできます。

相続人が複数人いる場合、故人が持っていた個々の相続財産は誰に配分されるのかが未定の状態です。そのため、すべての相続人がそれぞれの相続分の割合で個々の相続財産を共有(共同して持っていること)していると考えます。

しかし、この取り扱いは暫定的なものに過ぎないので、個々の相続財産の配分先を決定する必要があります。

遺産分割においては、相続人の意思(意向)が重要です。民法では、故人の遺言による相続分の指定(指定相続分)や遺産分割方法の指定がない場合に備えて法定相続分を定めています。しかし、遺産分割協議は相続人全員の合意によって成立させるものであるため、法定相続分と異なる相続財産の配分を行うことが許されます。

さらに、故人の遺言に相続分の指定があっても、相続人全員が合意することを条件に指定相続分と異なる配分にすることが許されるほど、相続人の意思が重要な要素になります。

遺産分割の対象となる相続財産の確定

遺産分割に先立ち、遺産分割の対象になる個人の相続財産を確定する作業が必要です。不動産は名寄せ台帳(固定資産課税台帳)の閲覧謄写により、預金や証券は思い当たる銀行や証券会社に行き、相続人として開示請求をすることで調査ができます。

相続財産かどうかが確定していない財産は遺産分割ができないため、帰属の不明確な財産は調査が必要です。そして、ある財産が相続財産であるかどうかが争われると、遺産確認の訴えなどの訴訟手続きによって確定しなければなりません。

遺産分割の種類

遺産分割については、

  • ①被相続人による遺産分割方法の指定・・・指定分割
  • ②遺産分割協議による分割・・・協議分割
  • ③家庭裁判所の審判に基づく分割・・・審判分割

という、3種類に分類できます。

被相続人の遺言による遺産分割方法の指定

被相続人は、遺言によって個々の相続財産の分割方法を指定できます。これを遺産分割方法の指定といいます。遺産分割方法の指定があった場合、指定の対象となった相続財産が遺産分割協議を経ずに、指定された相続人に帰属することが確定します。

たとえば、父が3000万円の相続財産を遺して死亡し、相続人として子A・Bだけがいるとします。このとき、父の遺言書に「相続財産のうち1000万円のX土地を子Aに与える」とあった場合、遺言が有効である限り、X土地が子Aに帰属することが確定し、残った2000万円分の相続財産を子A・B間で遺産分割協議をして配分します。

遺産分割協議(話し合い)による分割

遺言によって遺産分割方法の指定がなされていない場合は、相続人全員の話し合いによって遺産分割を行います。この話し合いのことを遺産分割協議といいます。

遺産分割協議による分割については、おもに以下の図のような方法があります。

現物分割
相続財産である土地を相続人Aに帰属させ、建物を相続人Bに帰属させるなど、個別の相続財産をそのままの形で配分する方法。
共有分割
相続財産である土地を複数の相続人が共同して所有するといったように、1つの物の所有権を分け合う形式で配布する方法。
換価分割
相続財産を売却して得た金銭を、それぞれの相続人の相続分に応じて配分する方法。
代償分割
相続分(原則的に法定相続分)を超える相続財産を取得した相続人が、その代わりとして差額の金銭(代償金)を他の相続人に渡すという配分方法。
利用券(用益権)の設定
相続財産である土地を相続人Aの所有に帰属するものとして配分したうえで、他の相続人Bにその土地の借地権を設定するような配分方法。

遺産分割協議は一般に、それぞれの相続人の法定相続分に基づいて行います。特別受益寄与分があるときは、これを考慮した具体的相続分に基づきます。

ただし、被相続人が遺言によって相続分の指定をしていた場合は、相続人全員の合意がある場合を除き、指定相続分に基づいて遺産分割協議をすることが求められます。

協議がまとまらない場合の家庭裁判所の審判に基づく分割

遺産分割協議において合意に達しない場合や、相続人が集まらず遺産分割協議ができない場合などは、家庭裁判所の審判に基づいて相続財産の配分を行います。

もっとも、審判の前に相続人の意思を尊重して合意による解決を目指す調停手続きが先に行われ、調停が不調に終わった場合に審判手続きに移行するのが一般的です。

審判に基づく分割は、前述した図のうち「現物分割」を基本として、それぞれの相続人の実情に合った分割方法による配分が行われます。

遺産分割の禁止とは?

相続人は、いつでも遺産分割を求めることができますが、相続人になり得る胎児の出生を待ったり、未成年の相続人が成人するのを待ったりする場合、一定の期間を定めて遺産分割を禁止することもできます。

ただし、被相続人の遺言や遺産分割協議による遺産分割の禁止は、原則として5年を超える期間を定めることができません。

一方、家庭裁判所の審判手続きによる場合は、5年を超える期間を定めることが可能です。

遺産分割前に財産を処分した場合

一部の相続人が、遺産分割前に相続財産を第三者に売却することがありますが、この状況を放置すると、遺産分割の場面で他の相続人が不利益を被るおそれがあります。

2018年の法改正により、遺産分割前に相続財産を処分(売却など)した相続人以外の相続人全員が同意した場合、遺産分割前に処分された財産が遺産分割時に存在するとみなすことが可能になりました。

この場合、遺産分割の時点で処分されていた財産の価額も含めて遺産分割を行い、処分した相続人は処分した財産に相当する金銭(代償金)を支払うことになります。

遺産分割の方法に関するまとめ

  • 遺産分割では相続人の意思が重要
  • 相続財産の調査・確定が必要
  • 遺産分割の方法は、指定分割・協議分割・審判分割の3つに分類される
  • すぐに遺産分割を行うことが妥当でない場合、遺産分割を禁止できる

以上、遺産分割の方法について解説しました。

相続手続き代行サービスはこちら

行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

CONTACT

まずはお気軽にご相談ください

電話で相談する
Tel.042-843-4211
メールで相談する
お問い合わせはこちら

(本社)東京都日野市豊田3-40-3 レジェイドサザンゲート1F

(新宿支店)東京都新宿区西新宿7-2-6 西新宿K-1ビル3F