コラム

COLUMN
2021.10.18

【相続税の対策】中期・長期で考える相続税対策

相続対策は早めに着手することで、少ないコストと小さなリスクで大きな効果を上げることができます。

例えば「生前贈与の実行」「不動産管理会社の活用」などは早くに着手することで効果を累積していくことが可能です。現状を正しく把握し、問題点への検討と対策を繰り返しながら効果的な対策を進めましょう。

この記事では、中期・長期で考える相続対策について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

【中期(3年以上)の相続税対策】生前贈与で相続税対策

近い将来値上がりするかもしれない資産や高収益な不動産を所有している場合は、早めに子や孫へ贈与することで、相続税軽減のための効果的な対策となります。

相続時精算課税制度

60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子や孫への贈与では、「相続時精算課税」を選択することができます。

この場合、贈与を受けた財産の価額から2500万円を控除した残額に対し、20%の税率で計算された贈与税が課されます。

贈与者が死亡したら、贈与を受けた財産は贈与を受けたときの価額により、相続または遺贈によって取得したものとみなして相続財産に加算され相続税が課されます。(支払った贈与税は相続税から控除され、控除しきれない贈与税は還付されます)

贈与を受けた財産は贈与時の価額で固定されるため、贈与後のその資産の値上がりの影響を受けません。

暦年課税制度

主税局の調べでは、暦年課税の贈与は取得財産価額が700万円以下のもの(贈与税が適用される税率:10%~20%)が約9割を占めていて、複数年にわたって連続して贈与を行っているケースが多く見受けられます。

とくに、受贈者の年齢層が低いほど連年贈与の割合が高くなっていると報告されています。

生前贈与加算の規定は、「相続または遺贈によって財産を取得した者」が対象とされ、「相続の開始前3年以内」に被相続人から贈与によって財産を取得した場合に限って適用されます。

また、贈与を受けた財産には贈与税が課されますが、その財産から生まれる果実部分には贈与税は課されません。

以上のことから、暦年課税贈与によれば、相続財産に適用される最も高い税率を下回る水準まで財産を分割することで、相続税の累進負担を回避しながら多額の財産を移転することができます。

なお、相続税・贈与税の一体課税への見直しが検討されているので、改正があれば暦年課税廃止の可能性があります。

【長期(10年以上)の相続税対策】不動産管理会社を活用する

不動産オーナーの所得を不動産管理会社に移転させるための方法としては、大きく分けて

  • ①管理料徴収方式(不動産管理会社は個人所有物件の管理を行う)
  • ②転貸方式(個人オーナーが所有物件を不動産管理会社に一括で貸し付け、会社は個人オーナーに借上げ家賃を支払い、一方で借り上げた物件について入居者を募集し、家賃収入を得る)
  • ③不動産所有方式(不動産管理会社が物件を取得、管理運営を行う)

の3つの類型に分類されます。

このうち、不動産所有方式の会社では、会社が賃貸建物だけを取得し、その敷地は賃貸借で「土地の無償返還に関する届出書」を提出することが基本です。この場合、賃料収入は100%法人に入ります。

個人の家賃収入がすべて会社に置き換えられ、個人としては地代収入が残るだけなので、収入の分散効果は不動産所有方式が最も大きいと言えます。

不動産管理会社を設立した場合には、所得の分散による所得税・住民税の節税、相続財産の増加の防止、相続税納税資金の準備などのメリットがある一方、会社設立に伴い各種のコストが発生するなどのデメリットがあります。

このコストを上回る効果が無ければ、不動産管理会社設立の意味がなくなってしまいます。

その他の相続税対策

複数年にわたって連続して贈与する方法や不動産管理会社の活用以外に、以下のような対策も考えられます。

生命保険の活用

年齢が若ければ、同じ保険料でもより大きな保険金額を確保することができます。

高収益な不動産を孫に贈与する

中長期にわたり収益を孫に帰属させることで、贈与者の相続税を軽減する効果が期待でき、なおかつ相続税を1世代飛ばすことに繋がります。

【具体例】

以下の条件で、長男(21歳)に父(被相続人)からA不動産を令和3年4月に贈与した場合と、贈与しなかった場合の税額の試算と節税の効果について。

1.被相続人 父(令和10年4月志望)

2.相続人 長男・長女

3.相続財産(令和3年4月現在)

①A不動産 3,000万円

②その他の財産 20,000万円

4.遺産分割 長男と長女は父の遺産を2分の1ずつ相続

  生前贈与を実行した場合 生前贈与をしなかった場合
長男 長女 長男 長女
A不動産 3,000
その他の財産 10,000 10,000 10,000 10,000
現金 900 900
課税価格 10,000 10,000 13,900 10,900
相続税の総額 3,340 4,840
各人の算出税額 1,670 1,670 2,713 2,127
長男の子の贈与税 (1,035.5)
合計税額 4,375.5 4,840

中期・長期で考える相続対策のまとめ

  • 贈与税の課税制度には「相続時精算課税」と「暦年課税」の2つがある
  • 暦年課税制度は近い将来廃止される可能性がある
  • 不動産管理会社を活用した相続税対策では、不動産所有方式が最も収入の分散効果が大きい

以上、中期・長期で考える相続対策について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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