コラム

COLUMN
2021.11.19

【相続の対策】認知症対策にもなる家族信託とは?

認知症を患う人の増加や、高齢者が高額の詐欺被害に遭うなど、高齢化社会の進展にともなって親の生活や財産が心配な方も多いでしょう。

このような場合に家族信託を設定することで、生活と財産を守ることができます。家族信託の仕組みやデメリットを把握して、自分に必要かどうか判断しましょう。

この記事では、家族信託について日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

高齢になった親の生活を守る家族信託とは?

家族信託は所有権を「財産権」と「財産を管理・処分できる権利」に分けて、後者だけを子どもに渡せる契約のことです。

たとえば、父の財産管理を長男が行う場合、

父が委託者(財産を受託者に引き渡して受託者に信託財産の管理・処分の指示をする人)かつ受益者(財産の利益を受ける人)

長男が受託者(委託者から財産を引き受けて信託財産を管理・処分する人)

という家族信託を設定することで、生活と財産を守ることができます。

この方法では、父が子どもに現金を信託し、子どもがその現金を管理します。その現金を定期的に父に渡し、父はその現金を生活にあてる、というわけです。

これなら、贈与税がかからずに親の財産管理を行うことができます。さらに父の手元にある現金が限られているので高額の詐欺被害も防ぐことができるでしょう。

契約を変更することで、そのときの状況に応じた信託のカスタマイズもできます。

認知症等で意思能力に不安がある高齢者の財産管理を行う制度には成年後見制度もあります。

しかし、財産が比較的少額で成年後見制度を使うほどではないケース、手続きを簡単にすませたいケースなら家族信託が向いているかもしれません。

遺言書の代わりに利用される遺言代用信託

最近は、信託銀行などが取り扱う商品「遺言代用信託」を、遺言書の代わりに利用する人も増えています。

遺言代用信託とは、委託者が生存中に自らを受益者とする信託契約を締結して、死亡した後に信託の受益権を承継させる制度です。

死亡後も受託者が財産を管理するため、細かい規定をすることが可能です。

たとえば長男に障害があり、一括で現金を相続されるのが不安な場合、「月々10万円ずつ払う」という設定ができたり、使用目的に制限を設けることもできたりします。

他にも、「30歳になった時点で現金を使えるように」「学費や孫の教育費に使うように」などの利用が考えられます。

特徴的なのは、自分の死後のことだけでなく、孫の代まで遺産分配を定められるなど、先々の相続についても指定できることです。「後継ぎ遺贈型の受益者連続信託」といいます。

たとえば、「自分の死亡後に現金1億円を月々30万円ずつ長男に」と指定しておき、さらに「長男が死亡したら残りは国に寄附」などとすることも可能です。

そのため、「遺産は現妻と元妻の間の実子で2分の1にしてほしいが、現妻との間に子どもがいないため、現妻が死亡すると遺産が現妻の兄弟姉妹になってしまう」などの場合で、「妻の死後、財産を自分の元妻の子どもへ」などと指定できます。

遺言代用信託の際には、期間の制限に注意しましょう。信託契約から30年を経過した後は、1回しか受益権を承継できないとされています。

信託法上は受益権の指定を先々まで指定できますが、期間制限のことを考えると3回までの設計とするのが一般的です。

また、遺留分についても注意しなければなりません。法定相続人には遺留分があるので、分配によってはトラブルになりやすい部分です。

このように遺言代用信託の制度は広まってはいるものの、いくつか注意すべき点もあります。

また、取り扱っている金融機関によって商品の内容が異なっていたり、トラブルになった場合の判断や対処策など、裁判例も少ないことから現時点では不明なところも多かったりします。利用の際には十分な検討が必要です。

家族信託に関するまとめ

  • 家族信託は成年後見制度より柔軟な財産管理ができる
  • 遺言の代わりに利用できる遺言代用信託は財産管理に細かい規定を設けることができる
  • 裁判例が少ないこともあり、遺言代用信託は想定外の事態への対処が難しいことも

以上、家族信託について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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