コラム

COLUMN
2022.03.21

【相続手続き】祭祀財産の承継者の決め方と基準について

祭祀財産とは、祖先を祀るために必要な財産(お墓や家系図、仏具等)のことをいい、相続財産とは別のものとして扱われます。

通常の相続とは承継の仕方が異なるため、祭祀財産の承継および承継者の決め方について正しく把握しておきましょう。

この記事では、祭祀財産の承継者の決め方と基準について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

祭祀財産とは何を指すのか?

祭祀財産とは、祖先を祀るために必要な財産のことをいいます。

祭祀財産には以下の3種類があります。

系譜 家系図・家系譜等
祭具 位牌・仏像・仏壇・仏具・神体・神具等
墳墓 棺・墓地・墓碑・霊屋等

系譜とは、家系図や過去帳など祖先からの血縁関係のつながりを記載したものをいいます。

祭具とは、位牌、仏壇、神棚など祖先の祭祀や礼拝に用いる道具のことをいいます。

墳墓とは、遺体や遺骨を納めるための墓石・墓碑のことで、その設置されている敷地である相当範囲の土地の所有権・使用権をいいます。

被相続人の遺骨についても、祭祀財産に準じて扱うのが相当であるとされています。

祭祀財産の承継者は基本的に1人とされる

祭祀財産は、民法では相続財産と別個のものとし、祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するとしています。

原則として祭祀承継者は1人ですが、2人以上の物が分割承継したり、共同承継したりすることもあります。

これに関して、一般的に祭祀の承継者は1人に限られるべきですが、墓地の所有形態など、個々の特殊な事情がある場合は祭祀承継者を共同指定することも差し支えないとされています。

祭祀承継者の決定方法について

祭祀承継者を決めるための3つの方法と、家庭裁判所による祭祀承継者氏名の基準について説明していきましょう。

祭祀承継者を決める方法は3種類

被相続人によって祭祀承継者の氏名があった場合は、指名された者が祭祀承継者となります。

被相続人による祭祀承継者の指名は、生前行為でも遺言でも構いません。

また、口頭・書面・目次・明示を問いません。

被相続人による祭祀承継者の指定がない場合は、その地方の慣習によって決められた者が祭祀承継者になります。

被相続人の指名がなく、慣習も明らかでない場合は家庭裁判所の調停・審判によって決定されることとなります。

家庭裁判所が祭祀承継者を指定する際の基準

家庭裁判所に祭祀承継者決定の判断を委ねた場合、被相続人の指名する祭祀承継者がいないこと、慣習が明らかでない事を確認します。

祭祀承継者の指定をするに当たり、以下のような事情等を総合して判断することとなります。

  • 承継者と被相続人との身分関係
  • 過去の生活や生活感情の緊密度
  • 承継者の祭祀承継の意思・能力
  • 利害関係人の意見等

以下は、祭祀財産の承継者指定の調停申立てに必要な書類です。

必要書類

申立人および相手方の戸籍謄本・住民票

被相続人の戸(徐)籍謄本

祭祀財産の目録

墓地の土地全部事項証明書

(その他、必要に応じて資料の提出を求められる場合があります)

申立費用 収入印紙1,200円・予納郵便切手

祭祀財産の承継者の指定に関する調停・審判の申立て

祭祀承継者を指定するためには家庭裁判所へ調停の申立てをします。

調停の手続きをせずに審判の申立てがあった場合、自主的な解決が可能な事項であるため、通常は調停に付されることになるでしょう。

調停の申し立てがあった場合、調停委員会は当事者の主張を聴くとともに、職権で必要な事実調査や証拠調べを行う事もあります。

当事者に合意が成立する見込みがない場合、または成立した合意が相当でないと認める場合で調停が成立しない時は、調停申立て時に審判の申立てがあったものとみなされます。

この場合、審判手続きに移行します。

なお、家庭裁判所は祭祀財産の承継者を指定する審判において、祭祀財産の引き渡しを命じることができます。

遺骨の引き渡し・引き取りについて

遺骨は祭祀財産の承継者に帰属します。

決定した祭祀財産の承継者が遺骨の引き渡しを受けられない、または引き取らない場合、遺骨の引き渡し・引き取りの調停を申し立てることが可能です。

調停が成立しない場合は、審判に移行して判断されることとなります。

以下は、遺骨の引き取りの調停申し立てに必要な書類です。

必要書類

申立人および相手方の戸籍謄本・住民票

被相続人の戸(徐)籍謄本

(その他、必要に応じて資料の提出を求められる場合があります)

申立費用 収入印紙1,200円、予納郵便切手

祭祀財産は相続税の課税対象ではない

祭祀財産は相続税の非課税財産とされています。

そのため、被相続人が生前にお墓等の祭祀財産を購入して相続財産を減らしておくことで、相続税の節税につながります。

ただし、祭祀財産を購入するために借り入れた債務については、相続税計算時の債務控除の対象外です。

節税のためにも、相続開始時にローンが残っていないよう注意しましょう。

※相続税のご相談については、提携している税理士を紹介いたします。

祭祀財産の相続放棄は可能なのか?

祭祀財産を相続放棄することはできません。

祭祀財産は相続財産とは扱いの異なる財産なので、通常の相続のルールは適用されないこととなっています。

したがって、通常の財産の相続放棄をした者が祭祀財産を承継することも可能です。

祭祀財産の承継は拒否することができませんが、承継した祭祀財産をどのように扱うかは承継者の自由とされています。

承継後、祭祀財産の処分をする場合はトラブル回避のために独断を避け、親族間で慎重に話し合って決定しましょう。

祭祀財産の承継者の決め方と基準についてのまとめ

  • 祭祀承継者の指名や慣習が不明な場合は、家庭裁判所に祭祀財産の承継者の指定を求める調停・審判を申し立てる
  • 祭祀財産の承継者が遺骨を引き取らない場合、家庭裁判所に遺骨の引き取りを求める調停・審判を申し立てる
  • 祭祀財産は相続税の課税対象ではない
  • 祭祀財産の相続放棄はできないが、承継後の処分は可能

以上、祭祀財産の承継者の決め方と基準について解説しました。

相続手続き代行サービスはこちら

※相続税のご相談については、提携している税理士を紹介いたします。

行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

CONTACT

まずはお気軽にご相談ください

電話で相談する
Tel.042-843-4211
メールで相談する
お問い合わせはこちら

(本社)東京都日野市豊田3-40-3 レジェイドサザンゲート1F

(新宿支店)東京都新宿区西新宿7-2-6 西新宿K-1ビル3F