コラム

COLUMN
2021.09.07

【相続の基礎】内縁と相続

婚姻届の提出という法律が定めた手続きを経ている男女の関係のことは法律婚といいますが、これに対し、夫婦として生活しているという実体はあるものの婚姻届けを提出していない男女の関係のことを内縁(事実婚)といいます。

これに加え、夫婦として共同生活をする合意が成立していると、内縁関係にあることが認められます。内縁の夫婦間における相続について、詳しく見ていきましょう。

この記事では、内縁と相続について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

※相続税のご相談については、提携している税理士を紹介いたします。

相続において内縁の配偶者の地位は非常に弱い

相続については法律婚が重視され、内縁の夫婦間では相続が発生しません。

内縁の夫婦の一方が死亡しても、生存配偶者は相続人になることはできないのです。

2018年の相続法改正で新設された特別寄与料の請求も、内縁の配偶者は対象外なため、相続においての内縁の配偶者の地位は非常に弱いという現状があります。

内縁の夫婦の一方が死亡した際、生存配偶者に財産を遺すためには、死因贈与契約か、配偶者に遺贈するとの遺言書を作成しておかなければなりません。

もしくは、生前から非課税枠の範囲で少しずつ財産を贈与しておく方法も考えられます。

内縁の夫婦の一方が死亡した場合、内縁の配偶者が故人と同居・生活費および故人の療養看護をするなど、密接な関係があったと認められる場合は、特別縁故者として財産が分け与えられる可能性があります。

しかし、特別縁故者の制度は相続人が1人もいない場合にはじめて認められる制度です。

死亡した内縁の配偶者に相続人がいるときは、前述した死因贈与や遺贈がない限り、内縁の配偶者は相続財産の配分を受けることができません。

事実婚の場合の相続税と遺族年金について

内縁の夫婦であっても、遺産をもらった場合は相続税を納めなければなりませんが、法律婚の配偶者とは違い、配偶者の税額控除や小規模宅地等の特例などの制度を利用されません。

他にも、障がい者控除が受けられない、生命保険金等の非課税限度額が適用されない、基礎控除額が増えない、税額が2割加算されるなど、内縁の夫婦間の相続においてはデメリットが多くなっています。

一方で、内縁関係にあっても、遺族年金の受給資格があります。生計維持関係があったと証明されれば、遺族年金を受給することができるでしょう。

内縁の夫婦間の子の相続権と相続分

内縁の夫婦間から生まれた子の母との母子関係は、分娩の事実によって認められます。これによって、子は母の相続人としての地位を取得します。

一方、父との親子関係は認知があった後に父子関係が認められます

そのため、父の相続人としての地位を取得するためには認知を受ける必要があります。

なお、内縁夫婦間の子は婚外子として扱われますが、法律婚における子と同等の法定相続分が認められます。

内縁と相続に関するまとめ

  • 内縁の配偶者の相続の地位は低いため財産を遺すには死因贈与か遺言書の作成が必要
  • 特別縁故者であると認められる場合は財産が分け与えられる可能性がある
  • 非嫡出子の法定相続分(相続分の割合)は嫡出子と同等

以上、内縁と相続について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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