コラム

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2021.09.09

【遺言の基礎】法定相続分を超える権利の承継と第三者

2019年7月1日に施行された相続法改正によって、法定相続分を超える権利を取得した場合、相続人は対抗要件を備えなければ第三者に法定相続分を超えた部分の権利を主張できないとされました。

この記事では、法定相続分を超える権利の承継と第三者について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

法定相続分を超える権利の承継の問題点

具体的な例で考えてみましょう。夫AがX土地とY土地を遺して死亡し、相続人として妻Bと子Cのみがいるとします。

この場合、BとCの法定相続分は2分の1であるため、BとCはX土地を2分の1の持分で共有し、Y土地も同じように共有するのが原則です。共有とは、1つの物を共同して所有している状態を指します。

しかし、夫Aが「子CにX土地の全部を相続させる」という遺言書を遺していた場合、これは相続させる旨の遺言にあたります。

この遺言は、X土地について法定相続分(2分の1)を超える遺産分割方法の指定をしています。そのため、X土地の帰属先が子Cに確定するので夫Aの遺言に従って子Cが土地を承継します。

そして、残ったY土地については夫Aが遺言を残していなければ、BC間の遺産分割協議によってどちらが取得するかを決めます。

このような場合は、子CがX土地を取得していることから、通常は妻Bに残りの土地を取得させるかもしれませんがBC間の合意があれば、子CにY土地の取得をも成立させることが可能です。

法定相続分を超える権利を取得した場合に注意すべき点

上記の事例で、夫A(被相続人)の遺産について相続させる旨の遺言によって、子CがX土地の全部を相続した後、妻BがX土地について法定相続分に従った相続登記を経た上で、第三者Dに自らの2分の1の持分を売却したらどうなるのでしょうか

法定相続分に従った相続登記の申請は相続人単独で行うことができるため、このような問題が発生します。

2018年の相続法改正(2019年7月1日施行)では、法定相続分を超える権利(おもに不動産や動産の所有権)を取得した相続人は対抗要件を備えなければ、第三者に法定相続分を超えた部分の権利を主張できないことを明確にしました。

「相続させる旨の遺言」による場合、以前は対抗要件(第三者に自分の権利を主張するために必要なもので、不動産の場合は登記・動産の場合は引渡し)が不要でしたが、2018年からの相続法改正によって運用が変わっている点に注意しましょう。

つまり、子Cは第三者Dが2分の1の持分の取得を登記するよりも前にX土地の全部を相続したと登記しなければ、第三者Dに対しX土地について2分の1の持分を超える部分の取得を主張できなくなってしまいます。

主張できない場合、X土地をCとDがそれぞれ2分の1の持分で共有することになります。

法定相続分を超える権利の承継と第三者のまとめ

  • 2019年7月1日施行の相続法改正により、対抗要件を揃えないと第三者に法定相続分を超えた部分の権利取得を主張できない

以上、法定相続分を超える権利の承継と第三者について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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