コラム

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2021.11.08

【相続対策】遺産分割前の相続預金の払戻し制度について

銀行口座の名義人が亡くなり、その口座の預金が遺産分割の対象となった場合、預金の引き出しが起こる等のトラブルを防ぐため口座が凍結されます。預金は遺産分割が終わるまで引き出せなくなります。

そうなったときに慌てないためにも、遺産分割前の払戻し制度(民法909条の2)について把握しておきましょう。

この記事では、遺産分割前の払戻し制度について日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

遺産分割前の払戻し制度で一定額が払戻せる

銀行口座の名義人が亡くなり、銀行口座が凍結されると預金の移動が一切できなくなります。

たとえ家族であっても現金の引き出しはもちろんのこと、クレジットカード・家賃・光熱費などの引き落としも不可能となります。

遺言書によって預金の受取人が決められており、さらに遺言執行者がいる場合には、凍結を解除する手続きは比較的簡単に行うことができます。

しかし、遺言書がなく遺産分割協議が必要な場合は、相続人全貝の同意が必要になるため、以前は被相続人の預貯金を遺産分割前に口座から払戻すことはできませんでした。

そこで、銀行口座の凍結によって相続人などが受ける不利益を緩和するため、2019午7月1日に遺産分割前の相続預金の払戻し制度が施行されました。

この制度を利用することで、口座が凍結されても一定金額の範囲で預金の払戻しを受けられるようになったのです。

遺産分割前の相続預金の払戻し制度の手続きには、以下の2種類があります。

  • 家庭裁判所に申立てる方法
  • 家庭裁判所の判断を経ずに銀行から直接払戻しを受ける方法

生活費や葬儀代などの支払いに必要な場合、まず被相続人が取り引きしていた金融機関に問い合わせてみましょう。

遺言書がある場合などは、払戻しの制度を利用できないこともあるので注意が必要です。

また、これらの制度によって払戻された預金は、後日の遺産分割で払い戻しを受けた相続人が取得したものとみなされます。

払戻しの手続きと必要書類について

同一の銀行から直接払戻しが受けられるのは以下の2種類のうち、どちらか低い方の金額です。

①「相続開始時の預金額×3分の1×当該相続人の法定相続分」
②「150万円」

これ以上の金額を払戻したい場合は、家庭裁判所に、遺産分割の審判または調停の申立てをすることを前提とした預金払戻しの申立てが必要です。

銀行から直接払戻しを受ける場合の必要書類は、以下の通りです。

  • 被相続人の、生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本等一式
  • 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
  • 預金の払戻しを希望する人の印鑑証明書

家庭裁判所に申立てて払戻しを受ける場合の必要書類は以下の通りです。

  • 家庭裁判所の審判書謄本(審判書上確定表示がない場合は審判確定証明書も必要)
  • 預金の払戻しを希望する人の印鑑証明書

なお、取引している金融機関によって必要な書類が変わることもあります。事前に金融機関に確認するといいでしょう。

遺産分割前の払戻し制度に関するまとめ

  • 払戻しの手続きには「家庭裁判所に申立てる方法・家庭哉判所の判断を経ずに銀行から直接払戻しを受ける方法」の2種類がある
  • 払い戻せる金額は「相続開始時の預金額×3分の1×当該相続人の法定相続分」または「150万円」のどちらか低い方の金額
  • 遺言書がある場合などは払戻しの制度を利用できないこともあるので注意

以上、遺産分割前の払戻し制度について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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