コラム

COLUMN
2021.11.16

【相続対策】全員で遺産分割協議ができない場合の手続き

相続人が海外などの遠方に暮らしていて遺産分割協議に集まれない、行方不明のため連絡がとれない、遺産分割協議中に相続人が死亡してしまった場合などは、どうやって遺産分割協議を進めればいいのでしょうか?

この記事では、全員で遺産分割協議ができない場合の手続きについて、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

海外在住者や外出が難しい人がいる場合の手続き

海外などの遠方で暮らしたり、体調不良や介護などの事情があって外出が難しい人がいたりして、相続税の申告期限までに遺産分割協議に集まることが難しいことがあります。

このような場合、どうすればいいのでしょうか?

遺産分割協議で重要なのは相続人全員が内容に同意しているかどうか

遺産分割協議は原則として相続人全員で行わなければなりません。

しかし、重要なのは全員が協議の内容に同意しているかどうかです。

そのため、相続人全員が集まれない場合は、電話・書面などで協議を行い、協議の内容に全員が納得すればいいということになります。

この場合、遺産分割協議の押印も郵送などで順番に回していく等の方法で対応します。

相続人が海外にいる場合の手続き

海外に住んでいるケースで問題となるのは実印です。

日本に住民票や印鑑証明書を残していれば、手間はかかるものの、郵送でのやりとりが可能です。

しかし、住所を海外に移している場合、印鑑証明書がないので、海外の主流であるサイン証明(署名証明)を受ける必要があります。

サイン証明を受けるためには、前もって作成した遺産分割協議書を持参し、滞在国の大使館や総領事館に出向かなければなりません。

担当官の前で遺産分割協議書に署名し、在外公館が発行する証明書に担当官に割り印をしてもらいましょう。

また、相続人の住民票の代わりに在留証明も必要になります。

在留証明は在外公館で申請するので、サイン証明の発行と同時にできますが、発行までに日数がかかることがあるので気を付けましょう。

郵送で遺産分割協議書をやり取りする手間と時間はもちろん、サイン証明や在留証明を受けるにしても手間と時間がかかります。

したがって、準備は早めに始めることをおすすめします。

行方不明の相続人がいる場合の手続き

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があるので、相続人の中に音信不通などで連絡がとれない人がいると手続きを進めることができません。

連絡の取れない相続人を除いての遺産分割協議は法律的に認められず、相続人が全員参加しない遺産分割協議は無効になります。

行方不明の相続人の戸籍から現住所を確認して連絡を取る

こういった場合は、相手の戸籍を手に入れて現住所を確認しましょう。

戸籍の附票には現住所が記載されているため、この住所を手がかりに手紙や訪問などで連絡を試みます。

しかし、附票に記載した現住所に本当に住んでいるとは限りません。

この場合、連絡の手段を探すのは難しいでしょう。

とはいえ、相続税の申告期限は相続の開始の翌日から10ヶ月以内です。

手続きを進めるために「不在者財産管理人」を立てて遺産分割協議を行いましょう。

不在者財産管理人は家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議に加わり、

  • 「不在者が現れるまで」
  • 「失踪宣告されるまで」
  • 「死亡が確認されるまで」

財産を管理します。

行方不明者の生存が見込まれない場合は失踪宣言を申し立てる

行方不明者の生存の可能性が低い場合、家庭裁判所に「失踪宣告」を申し立てましょう。

また、行方不明になって7年間生死が明らかでない場合にも失踪宣告が認められます。

失踪宣告は法律上、死亡と推定されるため、相続権はその人の子ども等に移ります。

もし失踪宣告された人が後に現れた場合、失踪を取り消す手続きが必要ですが、遺産分割は取り消されません。

ただし、遺産が残っていれば、現れた人に財産を返還しなければならないので注意しましょう。

なお、相続人の中に行方不明者がいる場合にも、被相続人が遺言書を残していれば遺言書通りに遺産分割が行われます。

この場合、相続人の同意は要りません。

遺産分割協議中に相続人が死亡した場合の手続き

家族が相次いで亡くなることは珍しいことではありません。

高齢の夫婦が増えている現状から、このようなケースは今後増えていくと考えられるでしょう。

たとえば、父親が亡くなった1回目の相続を一次相続、母親が亡くなった2回目の相続のことを二次相続とするように、一次相続で遺産分割協議が終わらないまま死亡し、二次相続が発生することを「再転相続」といいます。

再転相続は相続が相次いで発生するため、遺産の状況が複雑化し、把握するのが難しくなることがあります。

たとえば、相続人に借金があったため相続放棄をしたい場合は3か月以内が期限です。

しかし、一次相続の発生から約2ヶ月後に二次相続が発生した場合、一次相続の相続放棄をする期限は1ヶ月しかないことになってしまいます。

そのため、再転相続の場合、相続放棄の手続き期限は「第2期限と同じ日」とされています。

遺産分割協議書は原則として第1相続と第2相続でそれぞれ作成します。

ただし、第2相続で亡くなった人を除いて第1相続と第2相続の相続人が同じ場合は遺産分割協議書をまとめて1通にすることも可能です。

全員で遺産分割協議ができない場合の手続きまとめ

  • 遠方に住んでいる人(海外在住者など)や体調不良などで外出が難しい人がいる場合は電話や書面などで協議を行い、協議の内容に全員が同意できるようにする
  • 行方不明者がいる場合は相手の戸籍から現住所を確認、それでも連絡がとれなければ「不在者財産管理人」を立てて遺産分割協議をすすめる
  • 遺産分割協議中に相続人が死亡して再転相続が起こった場合は、相続放棄の手続き期限が第2期限と同じ日とされる

以上、全員で遺産分割協議ができない場合の手続きについて解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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