コラム

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2021.12.07

【相続の手続き】相続人不存在の財産を国庫帰属させたいときの手続き

相続人が存在しない場合の遺産を国庫に帰属させるためには、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

遺産を国庫に帰属させる際の現金と不動産の手続きの違いまで、国庫帰属させる手続きの流れを説明しましょう。

この記事では、相続人不存在の財産を国庫帰属させる手続きについて、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

相続人捜索の公告申立ての流れ

相続財産を国庫に帰属させるためには、相続人が存在しないことを確定するために相続人捜索の公告をしなければなりません。相続人捜索の公告の申立てから公告期間満了までの流れを解説しましょう。

相続人がいないことを確定するための相続人捜索の公告

相続財産が国庫に帰属するのは相続人が存在せず、かつ相続債権者および受遺者への弁済・特別縁故者への分与の後、さらに残余財産が存在する場合です。

そこで、相続財産を国庫に帰属させるためには相続人がないことを確定するため、相続人捜索の公告が必要です。

相続財産管理人は、相続債権者および受遺者に対する請求申出の催告期間が経過し、相続財産を清算した後も残余財産が存在する場合には、裁判所に相続人捜索の公告を申し立てることになります。

そして、裁判所は6か月以上の期間を定めて、その期間内に相続権を主張すべき旨を公告します。

相続人捜索の公告申立書に必要な添付書類は以下のとおりです。

作成書類  相続人捜索の公告申立書
添付書類

・債権者受遺者への請求申出の公告が掲載された官報公告の写し

・相続財産管理人選任審判書謄本

※その他各裁判所の定めるところにより、身分関係についての資料・手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求められる場合があります

申立時期 債権申出期間
申立人 相続財産管理人または検察官
申立先 相続が開始した地を管轄する家庭裁判所
申立費用 収入印紙800円、予納郵便切手(各裁判所の定めるところによる)

公告期間内に誰も権利を主張しなければ相続権は消滅する

相続人捜索の公告期間内に相続人が権利を主張しないときは、相続人の相続権は期間経過によって消滅します。

また、相続財産管理人に知れなかった相続債権者および受遺者がこの期間内に請求の申出をしなければ、その人の権利も公告期間の経過によって消滅します。

この過程を経て、相続人が不存在であることが確定します。

公告期間満了後は特別縁故者への財産分与の申立期間

相続人捜索の公告期間満了後3か月間は、特別縁故者の財産分与の申立期間となります。

その期間内に特別縁故者に対する財産分与の申立てがなかった場合、残余財産から相続財産管理人の報酬を差し引き、残った財産は国庫に帰属します。

財産分与の申立てはあったものの特別縁故者と認められなかった場合、また特別縁故者と認められたものの相続財産の一部のみが分与なされたために残余財産が存在する場合も同様となります。

相続財産管理人の報酬付与について

相続財産管理人は家庭裁判所の審判により、相続財産の中から相当の報酬を受けることができます。

一般的に、報酬付与の審判は事件終了の直前に行われます。

相続財産を国庫に帰属させる場合、相続財産管理人は相続財産から報酬を受領し、残額を国庫に帰属させる手続きをとることになります。

相続財産管理人に対する報酬付与審判申立書に必要な添付書類は以下のとおりです。

作成書類 相続財産管理人に対する報酬付与審判申立書
添付書類

財産目録

※ その他各裁判所の定めるところにより、身分関係についての資料・手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求められる場合があります。

申立時期 任務終了時
申立人 相続財産管理人
申立先 相続が開始した地を管轄する家庭裁判所
申立費用 収入印紙800円、予納郵便切手(各裁判所の定めるところによる)

相続財産の種類によって異なる国庫引継手続き

相続財産の国庫引継手続は財産の種類によって異なってきます。また、現金を帰属させる場合の手続と、不動産を帰属させる場合の手続の違いについて詳しく説明していきましょう。

相続財産の種類によって手続きが異なる

特別縁故者への分与手続を経て、なお処分されなかった相続財産は国庫に帰属します。

そこで、相続財産管理人は残った財産を国庫に引き継ぐ必要がありますが、その手続は財産の種類によって以下のように異なります。

  • 不動産・船舶・浮標・浮桟橋・浮ドック・航空機・地上権・地役権・鉱業権・株式・社債・地方債・信託の受益権等=財務局長に引き渡す
  • 現金・金銭債権・動産=家庭裁判所に引き渡す

財務局は現金以外の財産の引受けには慎重で、家庭裁判所も現金で国庫に引き継ぐよう相続財産管理人に促します。

そのため、相続財産管理人は相続財産をすべて換価し、現金を国庫に引き継ぐ場合がほとんどです。

現金を国庫に帰属させる場合の手続

国庫に帰属する現金は、裁判所の歳入として扱われます。

そこで、相続財産管理人は、歳入として納付する金額を確定するため管理人名義の預金口座を解約し、解約利息を含めた金額を銀行振出小切手にして保管します。

そして、歳入納付するための納付告知書を発行するよう裁判所に促すため管理報告書を提出します。

これを受けて家事審判官は歳入徴収官あてに債権発生通知書を送付し、歳入徴収官は相続財産管理人に納入告知書を発行します。

相続財産管理人は納入告知書の指定口座に現金を納付し、受領証書を添えて管理終了報告書を提出します。

管理報告書に必要な添付書類は以下のとおりです。

作成書類 管理報告書
添付書類 ・報酬受領書
・預金利息計算書(金融機関より入手)
・管理金計算書
・預金通帳写し
・銀行振出小切手の写し
〔その他各裁判所の定めるところによる〕
提出時期 現金の国庫帰属準備が完了した時
提出者 相続財産管理人
提出先 相続財産管理人を選任した家庭裁判所
提出費用 なし

不動産の国庫引継手続

相続財産管理人は、引継書を作成して国有財産に帰属した不動産を所轄財務局に引き継ぎます。

その場合、相続財産管理人はあらかじめ財務局長等と引継の所要事項について打ち合わせを行うことになります。

参考判例
相続人捜索の公告期間満了後に現れた相続人は、特別縁故者に対する財産分与後に残余財産があったとしても、その残余財産に対して相続権を主張的できないとした事例がありました。

相続人不存在財産引継書の作成に必要な添付書類は以下のとおりです。

作成書類 相続人不存在財産引継書
添付書類

・現地案内図

・公図

・土地測量図

・建物平面図

・相続財産の権利関係調書

・権利関係確認書

・不動産登記事項証明書

・固定資産評価証明書

・固定資産税領収書の写し

・相続財産管理人の資格証明書

・国庫に帰属することの証明書

・相続財産管理人の印鑑登録証明書

提出時期 特別縁故者の分与申立期間を経過した後
提出者 相続財産管理人
提出先 所轄財務局
提出費用 なし

相続人不存在の財産を国庫帰属させたいときの手続きまとめ

  • 相続財産管理人は相続人が不存在であることを確定するため相続人捜索の公告を申し立てる
  • 相続財産管理人は国庫に帰属する財産を確定させるため報酬付与の申立てをする
  • 相続財産管理人が預金を国庫に帰属させる場合、裁判所債権管理官の指定する口座に納付する
  • 相続財産管理人が不動産を国庫に帰属させる場合、所轄財務局長に引き継ぐ

以上、相続人不存在の財産を国庫帰属させる手続きについて解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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