コラム

COLUMN
2021.12.29

【相続手続き】現金の遺産分割について

現金は遺産分割の対象になります。相続人の1人が被相続人の現金を保管している場合、相続人全員が金額について共通の認識を持ったうえで遺産分割協議を行います。

また、保管している相続人が手続き中に現金を使わないように申し立てることもできます。

この記事では、現金の遺産分割について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

現金は遺産分割の対象となる

まずは、相続における現金の取り扱い、遺産分割における現金の取り扱いについて説明していきましょう。

可分債権(分けることができる債権のこと)である遺産は、債権者が複数になれば法律上当然分割※されます。

しかし、現金は動産(不動産や預貯金以外の財産)なので遺産分割の対象となります。

かつては金銭債権と同様に相続開始時に当然に分割されるとの見方もありましたが、現在では遺産分割の対象となることが明確にされています。

※当然分割とは
被相続人の死亡した時点で当然に分割されているということで、遺産分割協議が不要。

相続人全員が共通の認識を持って遺産分割協議を行う

現金は遺産分割の対象となるので、遺産分割協議において分割をすることができます。

現金を相続人の1人が保管している場合は、金額について相続人全員が共通の認識を持ったうえで分割の協議をすることになります。

保管していない相続人は、共有物の保存行為の一環として、保管している相続人に対し、現金の金額を明らかにするよう請求できます。

また、保管方法についても意見を述べることができるとされています。

遺産の分割について共同相続人間で協議が調わないときは、共同相続人は家庭裁判所に分割の請求をすることができます。

作成書類 遺産分割協議書(現金を分割する場合)
添付書類 相続人全員の印鑑登録証明書

勝手に現金を使われないよう審判前の保全処分手続をする

家庭裁判所に遺産分割の調停・審判を申立てている間にも、保管している相続人によって現金を勝手に使われてしまう可能性があります。

それを防ぐ方法として、審判前の保全処分手続で被相続人の遺産の管理者を選任することが考えられるでしょう。

家庭裁判所に、現金を保管していない相続人などが申立てます。この申立てでは、遺産管理の候補者を記載します。

この手続きをとって現金を管理者に移せば、現金が勝手に使われる心配はありません。

しかし、現金を保管していた相続人が、管理者に移す前にその一部を隠してしまう可能性はあるので、効果は限定的と言わざるを得ないでしょう。

作成書類 審判前の保全処分申立書
添付書類

・財産の管理者の候補者の戸籍謄本

・財産の管理者の候補者の住民票

申立費用 予納郵便切手(各裁判所が定めるところによる)

現金の遺産分割に関するまとめ

  • 現金は動産で金銭債権とは異なり、遺産分割の対象なので遺産分割の協議が調った場合は遺産分割協議書を作成する
  • 遺産分割の協議が調わない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停・審判を申立てる
  • 遺産分割調停・審判の間に現金の保管者である相続人が勝手に現金を使わないようにするために、審判前の保全処分手続を取ることができる

以上、現金の遺産分割について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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