コラム

COLUMN
2022.04.25

【相続手続き】遺産分割後に遺産でない財産があることが判明したら?

遺産分割協議を経て取得した土地が他人の所有であることが判明したなど、実はその財産が被相続人の財産ではなかったようなケースがあります。

この場合、遺産分割協議は無効となってしまうのでしょうか?

また、遺産ではなかった財産を相続することになっていた人は、他の相続人に対してどのような請求ができるのでしょうか?

この記事では、遺産分割後に遺産でない財産があることが判明した場合について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

遺産でなかった財産の権利関係

以下のように、遺産分割をした後で特定の財産が遺産ではないことが判明するケースがあります。

  • ①相続人A・B・Cにおいて、遺産である唯一の不動産をAが全部相続し、BとCに対して代償金を支払うような遺産分割をしたが、その財産が被相続人の財産ではなかったような場合
  • ②複数ある不動産をA・B・Cでそれぞれが相続したところ、Bの不動産が他人の所有であった場合

しかし、遺産分割協議で相続人全員が被相続人の遺産を認めたからといって、第三者からの権利主張が妨げられるものではありません。

遺産分割後、その相続財産について、第三者からの「自分の所有だ」という訴えが認められれば、その不動産を相続できないこともあります。

他人の所有だったことが認められれば、遺産分割における審判も効力を失うことになります。

遺産でない財産が判明したら遺産分割は無効になるのか?

遺産でなかった財産が判明した場合、既に完了した遺産分割は無効になってしまうのでしょうか?

結論から言えば、特段の事情がない限り、遺産分割全部が無効になる訳ではありません。

ただし、「特段の事情」があれば、遺産分割審判や協議が無効になり、やり直しになる場合があります。

先に紹介した①のケースのように、数少ない不動産を相続人のうち1人が相続し、他の相続人に代償金を支払うような場合、分割審判や協議が無効になる可能性もないとは言えません。

他の共同相続人に対して相続分に応じた支払い請求を求める

先に紹介した2つの事例では、一般に特段の事情があるとは認められず、遺産分割協議を無効としてやり直すことはできないと考えられるでしょう。

しかし、何らかの処理が行われなければ相続人間で不公平が生じてしまいます。

そこで、民法911条「各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う」と定めています。

目的物の一部が他人に属する場合、売買において民法564条・565条が適用されます。

民法564条・565条

第564条(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)

前2条の規定は、第415条の規定による損害賠償の請求並びに第541条及び第542条の規定による解除権の行使を妨げない。

第565条(移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任)

前3条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する。

出典:民法|e-Gov法令検索

遺産分割を無効としてやり直さない場合は、564条・565条によって担保責任の履行を求めることになります。

ただし、今回紹介した事例の場合、遺産分割協議そのものを民法541条および542条によって解除することはできません。

民法415条に基づく損害賠償請求として、他の相続人に支払いを求めることになります。

民法415条

第415条(債務不履行による損害賠償)

債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。(以下省略)

出典:民法|e-Gov法令検索

合意書を作成し遺産分割協議の修正内容を明確にしておく

相続人同士の再度の話し合いによって合意した場合、遺産分割協議に基づいて相続税の申告をしていたのであれば、更正申告・修正申告を忘れないようにしましょう。

また、合意書を作成し、以前の遺産分割協議のどこが修正されたかを明確にします。

修正していない部分については、以前の遺産分割協議が有効であることを明らかにしておきましょう。

遺産分割後に遺産でない財産があることが判明した場合のまとめ

  • 多くの場合、他の相続人を相手として他人の所有であったことによる瑕疵担保責任の履行を求める
  • 相続人間で話し合いがつけば全員で合意書を作成し、合意内容を明確にする
  • 遺産分割全部が無効を主張し、協議のやり直しを求めることができる場合もある

以上、遺産分割後に遺産でない財産があることが判明した場合について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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