コラム

COLUMN
2022.05.23

【相続基礎】同時存在の原則と同時死亡の推定とは?

相続財産の権利義務の承継には、相続開始時に相続人が存在していることが必要です。これを「同時存在の原則」と言います。

また、被相続人と相続人が同時に亡くなり、どちらが先に亡くなったか分からない事態に備えて「同時死亡の推定」に関する規定を設けています。

関連する2つの制度について、詳細を追っていきましょう。

この記事では、同時存在の原則と同時死亡の推定について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

同時存在の原則とは?

相続は被相続人の死亡によって開始され、被相続人の財産も含めた権利義務は相続人に包括承継されます。

相続財産に対する権利義務の承継には、被相続人の死亡時に相続人が存在していなければなりません。

これを「同時存在の原則」と言います。

なお、民法では、同時存在の原則の例外となる2つの制度を設けています。

それは「胎児の出生擬制」と「代襲相続の制度」です。

【例外①】胎児の出生擬制

胎児の取扱いは、同時存在の原則の例外となります。

3条1項は、「私権の享有は、出生に始まる」と定めています。

出生前の胎児は法律上の「人」ではないので、これに従うなら胎児には相続権がありません。

しかし、民法第886条第1項では「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす」(出典:民法|e-Gov法令検索と規定しています。

つまり、相続開始時に胎児であっても、相続人としての相続権が認められているということです。

この規定によって、被相続人が死亡した直後に出生した子が不利益を被る事態を避けることができます。

【例外②】代襲相続

代襲相続も、同時存在の原則の例外となります。

代襲相続とは、被相続人が死亡する以前に相続人が死亡していたり、相続欠落や廃除によって相続権を失った場合に、その相続人の子が代わりに相続を受けることを言います。

同時存在の原則からすれば、相続開始時に相続人がいなければ相続は発生しません。

しかし、相続人に代わって遺産を承継させることが、被相続人の意思に合致するだろうとして、相続人の子に特別に相続させるのが代襲相続なのです。

同時死亡の推定とは

同時存在の原則は、相続開始時に相続人が存在していることが必要とされます。

では、被相続人と相続人が同時に死亡した場合はどうなるのでしょうか?

事例を交えて説明していきましょう。

【ケース①】同時に死亡が確認された場合

【ケース①】同時に死亡が確認された場合
Aの自動車が崖から転落しているのが通行人に発見されました。
その場で運転していたAと同乗していたAの子Xの死亡も確認されました。
Aの妻B、Aの母Cは健在です。

この場合、仮にAが先に死亡していたなら相続人は妻Bと母Cです。

ついで子Xの死亡により、妻Bが子Xの相続人となります。

結果的に、Aの相続財産はすべて妻Bに帰することになります。

【ケース②】誰が先に死亡したのか分からない場合

【ケース②】誰が先に死亡したのかわからない場合
Aは自分の子Xが登山中に遭難した知らせを聞き、心臓発作を起こし、搬送先で死亡しました。
同じ頃、子Xも遭難事故で死亡していたことが後日確認されます。
Aの妻B、Aの母Cは健在です。

仮に子Xが先に死亡していたら、Xの相続人はAと妻Bです。

ついでAの死亡により、妻Bと母CがAの相続人となります。

このケースのように、数人が死亡および各人の死亡時期が分からない場合、誰が先に死亡したのかが重要になることがあります。

民法では、「同時死亡の推定」に関する規定を設けています。

同時死亡の推定
民法第32条の2 数人の者が死亡した場合において、そのうちの1人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。(出典:民法|e-Gov法令検索

なお、推定規定であるため、これに不満があり、どちらが先に亡くなったかを示す証拠を挙げれば、推定を覆す余地が残されています。

また、同時存在の原則に従い、同時死亡者A・子Xの間では互いに相続が発生しません。

同時存在の原則と同時死亡の推定まとめ

  • 同時存在の原則・・・相続財産に対する権利義務の承継には、被相続人の死亡時に相続人が存在していなければならない
  • 胎児の取扱いと代襲相続は同時存在の原則の例外となる
  • 同時死亡の推定・・・被相続人と相続人が同時に死亡し、誰が先に死亡したのか分からない場合は同時に死亡したものと推定する

以上、同時存在の原則と同時死亡の推定について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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