コラム

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2021.10.19

【遺産分割の手続き】特別受益と寄与分に期限ができる?

現行の民法では「いつまでに遺産分割しなければならない」という期限がありません。そのため、相続発生後に遺産分割がされないまま、さらに相続を迎えると権利関係が複雑化するという問題がありました。

この問題に、特別受益としての贈与があったことや寄与分の主張が加わることで、相続分の算定がさらに複雑化し、遺産分割協議がまとまらないという問題にもつながります。

そこで、特別受益と寄与分の規定が適用されるのは相続開始の時から10年以内という期限が法改正後に設けられます。

この記事では、法改正後に設けられる特別受益と寄与分の期限について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。
解説します。

特別受益と寄与分とは?

法定相続分割合は、民法では相続人が誰であるかによって定められており、遺言等がない法定相続の場合に適用されます。

例えば、被相続人に配偶者と子が2人いた場合の法定相続分割合は、配偶者=2分の1、子はそれぞれ4分の1ずつとなります。

しかし実際には、相続人の中には被相続人の生前に何千万円ももらっている人や、反対に被相続人にずっと経済的な援助をしてきた人等がいるなど、さまざまな事情があります。

このような場合、法定相続分の規定に従って分けただけでは不公平だと感じてしまいます。

そういった場合に法律では特別受益(被相続人から受けた利益)や寄与分(被相続人に与えた利益)という考え方を取り入れ、個別の事情を考慮して各自の相続分を修正することを認めています。

実際の遺産分割の中では、特別受益があったかどうかが争われることも少なくありませんが、特別受益の規定があるため、理論的には生前贈与があってもなくても、法定相続であれば被相続人から取得できる財産の総額は変わらないことが原則です。

特別受益についてより詳しく解説した記事はこちら

寄与分についてより詳しく解説した記事はこちら

特別受益・寄与分に期限ができる

近年では、相続紛争が深刻化するケースや、遺産の分け方でもめて何年も遺産分割が成立しないケースが増えています。

遺産の最終取得者が決まらなければ、不動産等の有効活用ができなくなったり、被相続人(故人)の預貯金等が塩漬け状態になったりするなど、社会に悪い影響を与えてしまいます。

そこで、令和3年4月に民法の改正が行われました。

この改正のうち、遺産分割についてある期限が設けられましたが、遺産分割自体に期間制限ができるというわけではありません。

相続開始から10年を経過した遺産分割については、原則として特別受益と寄与分の規定が適用されないという内容です。これには、何十年も前の特別受益等を争って、いつまでも決着しない相続紛争を防止したい狙いがあります。

もっとも、遺産分割自体は、話し合い(協議や調停)で全員が納得するのであればどのような分け方をしてもかまわないので、法定相続分割合に縛られる必要はありません。

実質的には特別受益等を考慮した分け方を採用することが可能であり、その点は10年以上経った相続の場合でも変わりません。

ただし、家庭裁判所が分け方を決める審判の場合では、特別受益等は一切考慮されない分割方法になるので、その点には注意しましょう。

特別受益と寄与分のまとめ

  • いつまでも決着しない相続争いを防止するため、法改正後は特別受益と寄与分の規定の適用に10年以内という期限が設けられる

以上、特別受益と寄与分について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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