コラム

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2023.03.09

【相続手続き】世帯主が死亡した場合の変更手続き

世帯主が死亡した場合、亡くなった日から14日以内に市区町村役場で「世帯主変更届」という手続きが必要となるケースがあります。

変更届の提出が必要な世帯は、「遺族が1人のみ」、「子が全員15歳未満」の場合です。

また、世帯主の変更は健康保険の手続きにも関わるので、「死亡届」と同時に市区町村役場で行うことをおすすめします。

同時に済ませられる手続きを把握しておくことで労力を最小限に抑えられるので、どのような手続きが必要になるか、流れを確認しておくといいでしょう。

この記事では、世帯主が死亡した場合の変更手続きについて、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

世帯主が死亡した場合の変更届の提出期限

世帯主が死亡した場合、遺族が1人のみの場合や子が全員15歳未満の場合を除き、世帯主変更届を提出しなければなりません。

変更届の提出期限と、誰が何を用意して手続きに行くべきなのか説明していきましょう。

世帯主変更届の手続きは14日以内に行う

世帯主が亡くなった場合、亡くなった日から14日以内に市区町村役場で「世帯主変更届」という手続きが必要となるケースがあります。

世帯主の変更は、健康保険の手続きにも関わるので「死亡届」と同時に市区町村役場で行うことをおすすめします。

届出の書式は、市区町村役場の窓口に用意してあるので、その場で記入すれば問題ありません。

なお、市区町村役場によっては、世帯主変更届で「住民異動届」という書類を用います。

住民異動届は役所の窓口で貰えるほか、ホームページからダウンロードすることもできるので、各自治体のホームページで手続きに関する案内を確認するといいでしょう。

届出は誰が提出するべきなのか?

届出を提出できるのは、亡くなった世帯主の世帯員(同一世帯を構成する家族)になります。

つまり、新しく世帯主となる本人でも同一世帯の人でも構わないということです。

委任状があれば、代理人が申請することも可能です。

世帯主変更届の手続きに必要な書類は次のとおりです。

必要書類 備考
本人確認書類 運転免許証、パスポート、マイナンバーカード。(顔写真のついていない健康保険証、年金手帳などの場合は2点提出が必要)
印鑑 認め印でも可。
委任状 代理人が申請する場合

世帯主の変更届が不要なケースと必要なケース

世帯主変更届は必ずしも提出しなければならないというわけではありません。

変更届が不要な場合と必要な場合の家族構成の違いについて解説していきましょう。

【不要なケース】遺族が1人のみの場合や子が全員15歳未満の世帯

世帯主が亡くなったからといって、必ず世帯主変更届が必要となるわけではありません。

世帯主に該当する遺族が1人しかいない場合、必然的にその遺族が世帯主となるため世帯主変更届は必要ありません。

15歳以上であれば世帯主になることができるので、世帯主変更届が不要となるのは、

  • ①遺族が1人のみの場合
  • ②遺族が15歳未満の子と親権者のみの場合

というケースです。

このような場合には、次の世帯主になる者が自動的に決まるので手続きが不要とされています。

【必要なケース】15歳以上の遺族が2名以上いる場合

世帯主が亡くなった後、残された家族のなかに15歳以上の人が2名以上いる場合は、次の世帯主が誰になるのか明確ではないため世帯主変更届が必要となります。

例えば、父(世帯主)、母、長男(18歳)、長女(13歳)という家族構成で、父が亡くなった場合、母と長男のどちらも世帯主になることが可能なため、どちらが世帯主になるのかを提出することになります。

亡くなった世帯主に扶養されていた場合の健康保険について

亡くなった世帯主に扶養されていた場合、健康保険の手続きが必要になります。

被用者保険に加入していた場合と、国民健康保険に加入していた場合の手続きの流れについて説明していきましょう。

被用者保険の場合

亡くなった家族が世帯主で、会社員・公務員の健康保険(被用者保険)に加入していた場合、扶養に入っていた家族は健康保険への加入資格を失います。

なので、扶養されていた人は

  • ①国民健康保険に加入する
  • ②世帯に被用者保険に加入している人がいればその人の扶養に入る

のどちらかを選択します。

世帯主に扶養されていた人の国民健康保険への加入は必須ではありません。

②を選択できる場合は、保険料の支払いは不要です。

国民健康保険の場合

世帯主であった故人が個人事業主などで国民健康保険に加入していて、その家族も国民健康保険に加入している場合、世帯員全員の保険証を市区町村役場に返却する手続きが必要です。(国民健康保険資格喪失届)

市区町村によっては死亡届を提出することで国民健康保険資格喪失届が不要になるところもありますが、それでも保険証は返さなければなりません。

世帯主と被保険者番号が変更されると遺族には新たな健康保険証が発行されます。

この国民健康保険の手続きも忘れずに行いましょう。

同時に手続きできるものを把握して負担を減らせると◎

世帯主は、一家の大黒柱であるケースも多いので、世帯主の相続が発生した場合は精神的にも体力的にも辛いものです。

市区町村役場で必要な手続きは、世帯主変更届の他にも、

  • 死亡届
  • 火葬許可申請
  • 国民健康保険関連

等々、他にもたくさんあります。

少しでも労力を軽減できるよう、各手続をしっかりと把握して、同時にできるものはまとめて手続きを済ませてしまうといいでしょう。

死亡後の手続き一覧表

死亡後の手続き一覧を下記の表にまとめているので、参考にしてください。

手続きの種類 期日 必要書類
医師から死亡診断書または死体検案書を受け取る   届出人の印鑑・身分証明書等
市区町村役場に死亡届を提出 7日以内  
火葬・埋葬許可の申請を市区町村役場に提出し、火葬許可証を受け取る    
国民健康保険資格喪失届を市区町村役場に提出 14日以内 国民健康保険証・死亡届
介護保険喪失届を市区町村役場に提出 14日以内 介護保険被保険者証
国民年金・厚生年金の受給停止手続きを行う(国民年金は市区町村役場、厚生年金は年金事務所へ) 14日以内 死亡届・年金証書・死亡診断書・届出人の本人確認書類
世帯主変更届を市区町村役場に提出 14日以内 届出人の本人確認書類・印鑑等
銀行等の金融機関への死亡通知    
生命保険会社に死亡保険金を請求    
該当する場合のみ健康保険の高額療養費の請求(届出先は役所または加入している健康保険組合・協会けんぽ) 2年以内 健康保険証・医療費の領収書・印鑑・振込先口座番号など
国民健康保険被保険者の場合は市区町村役場に葬祭費を請求 2年以内 健康保険証・葬儀費用の領収書等
国民年金加入の場合は役所に死亡一時金を請求 2年以内 故人と申請者の関係が分かる戸籍謄本・個人の住民票の除票・申請者の世帯全員の住民票・振込先口座番号など
国民年金加入の場合は遺族基礎年金および寡婦年金を請求 5年以内 年金手帳・戸籍謄本・世帯全員分の住民票の写し・故人の住民票の除票・請求者・子供の収入を確認できる書類・死亡診断書のコピー
厚生年金加入の場合、遺族厚生年金を年金事務所で請求 5年以内 年金手帳・戸籍謄本・世帯全員分の住民票の写し・故人の住民票の除票・請求者・子供の収入を確認できる書類・死亡診断書のコピー

より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

世帯主が死亡した場合の変更手続きまとめ

  • 世帯主変更届の提出期限は亡くなった日から14日以内
  • 遺族が1人のみの場合や子が全員15歳未満の場合は世帯主変更届の提出は不要
  • 世帯主を変更する際は健康保険の手続きのほか、死亡届や火葬許可申請など、同時に済ませられる手続きをまとめて行うと負担が軽くなる

以上、世帯主が死亡した場合の変更手続きについて解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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